2013年11月23日土曜日

憧れた愛の形『シベールの日曜日』(1962年)。

はじめて観たのは十代半ば。ビデオ録画をしていて観ました。はじめて観たとき、主役二人の愛の形にただただ驚き、そして、憧れました。今でもわたしの憧れの恋愛映画。




ヒロインの少女を演じたパトリシア・ゴッジもかわいらしく、見惚れたものですが、それ以上にピエールを演じたハーディ・クリューガーに痺れました。記憶を失った、影のある、寄る辺のない男。孤独を常に胸に抱えているような男。モノクロの映像と共にハーディ・クリューガーの彫りの深い顔がなんだかええ余韻を醸し出していました。


『シベールの日曜日』概要。
インドシナ戦争で記憶を失ったピエールは、パリの病院に勤める看護婦マドレーヌと同棲していた。ある日、彼は寄宿学校に入れられた12歳の少女と出会う。そして、マドレーヌがいない日曜日ごとに、その少女フランソワーズを外に連れ出して森の中で一緒に遊ぶピエール。だが、周囲の人々はそんな二人の姿に不信感を抱き始める。やがてクリスマスの夜、森の小屋にツリーを飾るピエールの元へフランソワーズがやって来た。彼女はそこで、本名はシベールだと打ち明ける。そんな中、ピエールを怪しむ警官たちが二人のもとへ近づいてきていた…。
原題 CYBELE OU LES DIMANCHES DE VILLE D'AVRAY、SUNDAYS AND CYBELE
監督 セルジュ・ブールギニョン
製作年 1962年
製作国 フランス


『シベールの日曜日』感想。

映像がいけていないビデオテープをかなり長く持っていました。これを無くしたら、次、いつ観られるか分からない、という怯えにも似た気持がありました。近所のレンタルショップにはテープがないし・・・当時はそんな時代だったのです。

が、今は便利な世の中ですね、ネットの世界で簡単に注文できるのですから(シベールの日曜日 [DVD] )。何度か注文を考えたのですが・・・今から改めてみる怖さもあったりします。

あの感動、あの驚き、あの悲しみは10代のときだからこそ感じたのかもしれない、と。


戦争で心が傷ついた男と親に見捨てられた少女がかわす心の交換物語。

設定だけで考えると・・・一歩間違えるとロリコンモノになりそうなところが、そうならない。さすがはフランス映画の格調?


とはいえ、子供の頃(といっても10代半ばですが)は禁断の許されない関係を見ているようでドキドキしたものです。音楽を聴いた母が「シベールの日曜日?」と聞いてきたとき、激しく胸が鼓動しました。当時のわたしには何やら妖しい世界を眺めているような感覚がありました。

そして、その世界に激しく憧れました。

世界で心を通じ合い、寄せる相手はただ一人。

その人とただ一緒に時を過ごしたいだけ、親子として、恋人として、親友として、家族として。たとえ、偽の関係でもいい。わたしには彼。彼にはわたし。少女と男の切なくも、狂おしくも、相手しか見えない純粋な愛の形。純粋であれば、あるがゆえに周囲からは理解されない愛の形。


湖に広がる波紋の揺らぎ、クリスマスのシーンのドキドキ、落ち葉舞い散る地面の美しさ、全てがモノクロの画面と共に今でも懐かしくおもいだされます。


最後、パトリシア・ゴッジのアップ。

涙がこぼれます。




今、観るとどのような感想を抱くのでしょうか。

あの頃は少女に感情移入しましたが、今はどうでしょうか。ピエールの恋人であったマドレーヌに共感するのでしょうか。それが大人になったということなのかもしれません。

ちょっとドキドキしますが、今年のクリスマスプレゼントとして自分にこのDVD購入を考えてしまいます。

わたしの中で映画に関して、オールタイムベスト10としてランキングを作るとしたら、間違いなく、この作品はトップ10に入ります。



泣ける度
 70%。
 今でもわたしの憧れ。 




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Amazonで『シベールの日曜日』をチェックする。


6 件のコメント:

  1. 銀の砂時計2014年2月9日 20:51

    大好きな「シベールの日曜日」の記事に出会ったので、嬉しくなりました。あなたと同じく10代の頃に初めて観ました。DVDの存在を知って、先日さっそく購入。いま「シベール三昧」に浸りながら、繰り返し観ています。二人のこころの交流が純粋かつ透明に描かれていて、何回観ても感動します。記憶を失ったピエールと薄幸なシベールの「こころの共鳴」に、観る人も共鳴してしまうところが魅力ですね。

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    1. 実はわたしはまだ購入しておりませんの・・・汗。

      でも、今回のコメントを拝見して是非、購入をしたいと思います。うらやましいです。大人になってみると新たな発見がありますでしょうか。

      そうですね、二人のこころの共鳴に10代だったわたしは激しく共感し、羨ましく思ったものです。

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    2. 銀の砂時計2014年2月13日 9:08

      この作品はしばらく記憶の奥に沈んだままでした。先日、「EVA」というスペイン映画を観て、シベールのことを思い出しました。いま観なおしてみると、より深くこころを揺さぶられるような気がします。以前とは異なるシーンでググッときたりして、新しい発見もあるかと思います。アルビノーニ「アダージョ」をバックに、シベールとピエールが手をつないで歩くシーンは何度観ても好きですね。パトリシア・ゴッジ関連では二作目「かもめの城(RAPTURE)」もおススメです。

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    3. 逆にわたしはこの映画はいつまでも記憶に留まっている作品です。それだけに発酵度合と申しますか、妄想度合いが激しく、今、観る脅えにも似た感情がわたしの中にあります。
      記憶の中で美しく留めておきたいような。
      でも、新たな発見を期待していつか、いつか視聴をします、絶対にします。

      『かめもの城』もよかったですよね~
      でも、わたしの中ではパトリシア・ゴッジは『シベールの日曜日』!みたいな感じがあります。

      ああ、周囲に『シベールの日曜日』の話をする相手がいないのでうれしいです。
      コメント、ありがとうございました!

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    4. 銀の砂時計2014年2月13日 14:51

      こちらこそ「シベールの日曜日」が好きな方に出会えてうれしく思っています。「かもめの城」は、シベールのお願い事(クリスマスの夜、ピエールに語る夢)が実現しているところもあって、なんとなく続編的な意味合いもあるのかな?なんて感じます。「かもめの城」は「ミツバチのささやき」(スペイン)を連想するシーンもありました。

      そうそう「ぼくのエリ」も良さそうな映画ですね。まだ観たことは無いのですが、音楽がめっちゃ好きなんです。

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    5. 先ほどの返信で記載するのを忘れたのですが、「EVA」も面白そうな映画ですね。スペインはひねりのきいた映画を送り込んできますね。

      ああ、指摘されてみるとそうかも!と思いました。特に「ミツバチのささやき」のくだりに頷いてしまいました。それにしてもこちらも懐かしい映画!かなり記憶は怪しいですが・・・汗。

      「ぼくのエリ」は設定のぶっ飛びかげんを受け入れることができれば、楽しめる映画でした。尾も合わぬ広いものでしたわ。

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